――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<ルネサンスへ<2012-0803-2 市
この中途デッサンが、薄気味悪いのは、 目の部分がボヤけて、消えている為(タメ)だ。 まるで、幻のように現れて消える、 途切れとぎれの輪郭線。 夢で見る蜃気楼のような面影。 目が消えているのは、 精神が閉じているのである。 現実が見えない、 自分だけの世界にとどまっているのである。 それは、 自分自身が映し出した夢の世界である。 自己というのが分裂して、 無意識の世界を、さ迷っている。 それは、僕の肉体を棲家(スミカ)とする、 祖先の記憶である。それなくして僕は存在しない。 それは、自分が自分であることの証明である。 僕の肉体の中で、祖先の精神が、 異議申し立てをして、抗議をしているのである。 僕は誰で、どう生きるのかと。 |