――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<ルネサンスへ<2013-1007-1
霧の中や、月夜の薄明かりの下。 暗がりや、物カゲなど……。 何かの輪郭のようなものが、不明瞭に見えて来て、 なお、すぐには識別出来ない場合がそうである。 薄れゆく記憶の中で、かすかなシルエットだけが見え隠れして、 その正体がハッキリしない場合である。 この中途半端な状態が幻覚と妄想を引き起こしている。 つまり、それと関係のない何かの模様から、 脳ミソが勝手にイメージを作り出すのである。 そして、そのイメージの中に、誰かの、 強烈な意志のようなものを感じてしまうのである。 それが、目に見える現実世界のすべてを、 意のままに動かしているように思えてくるのである。 そう思えてくるのは当然で、この目という感覚は、 ある意味で自分自身の目ではないのである。 それは、祖先から遺伝として、与えられたものであって、 形づくられたものである。 そうした意味で、ボクの目の感じ方、見え方、 それの脳内での処理方法、 そして、全体としての目の仕組み自体が、 自分自身の意志とは別の事情から定められている。 遺伝によって祖先から、先天的に与えられたものなのである。 自分が獲得したものではなくて、 初めから、自分の一部分としてあったものなのだ。 それは、自分の意志の届かない世界なのである。 そうした意味でそれは、 ボクの目は、他人の目なのである。 |