――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<ルネサンスへ<2013-1118-1
意識されることのないまま、 いわば、眠ったままの状態で堆積してきた、 無意識の記憶。肉体だけが、それを記憶していて、 本人に、その自覚はまったくない。 ことばとか意識で記憶されたのではなくて、 肉体の感覚として記憶されたものだ。 うれしいとか、憎いとか、そうした感情の入る以前の、 例えば、痛いとか気持ち良いとか感じよいとか、 そうした、純粋に感覚レベルでの感じ方という記憶なのである。 だからここでは、その相手方としての他者も、 本人と区別して存在する外的世界といったものも、 いまだ不明瞭なままである。 それが自分のことなのか、他人に対することなのか、 自分でも区別できずにいるのである。 こうした無意識の、自覚のない感覚に、 うれしいとか、憎いとか、 たのしいなどという感情が入ってくるとどうだろう? このような感情といったものは、 それを包む情緒とか情感と一体になって、 何か、その相手を暗示し示唆している。 感情とは、その対象なしには持ちえないのである。 痛さとか気持ち良いというのは、感覚の話であるが、 うれしさとか悲しみというのは、感情の話なのである。 他者に対する、自分の気持ちなのである。 自分に対する他者としての、 あるいは他の物としての、それである。 |