ルネサンスへ2013-1209-1 (  市)



図書館、2013.12月度テーマ。
「アンソロジー」 その1



白い朝もやの、深い霧の中から、
いろんな色をした花びらが浮かび上がってくる。
まるで、空中を漂うシャボン玉のようにも見える。




赤・青・緑、そして黄色。
この黄色はきっと僕の色だ。
それは、祈りであり、あこがれである。
かぼそく、ひよわで、今にも白い背景の中で
消えてしまいそうな、そんな色だ。
しかし、いつまでも、どこまでも、
ずっとそうであり続ける、そんな色だ。

それはきっと、タマシイといったものが、
花びらとなって、そしていろんな色となって、
浮かんできて舞っているのだ。
詩人のタマシイが花びらとなって、色となって、
ささやいているのだ。
朝の霧のかすんでぼやけた、深いまどろみの中から。

朝の光が花びらを照らし、
さまざまな色に映し出す。まるで万華鏡のように。
そして、この花びらも、朝の光も、
一瞬の出来事なのだ。
花びらは舞い、朝日はやがて昼となり夜となる。
このような束の間の出来事。
まるで幻のような輝き。それは人生そのもの。
だれもが、そうやって生まれ、生きて輝き、
そして老いて死にゆく。
輝きも、長く続くとウンザリする。
束の間の、一瞬の幻のような輝きがよい。
「生きている」というのは、
アンソロジー(詩集)なのだ。
 
 戻る。                続く。



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