――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<ルネサンスへ<2013-1226-1 市市民センタ―
モミの木がまとう、銀の帯(おび)はきっと雲なのだ。 不規則バラバラ、それでいてつながっていて、 そしてなによりも、自由に浮かんでいる。 何にも束縛されずに、自分の都合だけで、 好き勝手で思いのままに漂っている。 だから、これこそが自由であり、 そして、空に浮かぶ雲なのだ。 そうだ。自由はカタチだけではない。 カタチだけの自由ならば、それは偽善というものだ。 まやかし、偽り、見てくれだけで、 外面だけで認めてもらおうとする、 実にみじめで、さもしく愚かでむなしい、 本当にさみしく哀れな存在なのだ。 だからこの自由は、本当の自由、 中身も自由でなければならない。 だから銀の帯(おび)の雲は、輝きながらも、 青にも金にも赤にもなってつながっている。 だとすると、このモミの木の青色は何なのだ? そう、これはきっと空の色の青さだ。 沈んだ、吸い込まれてゆくような、そんな青さだ。 永遠のかなたへと、誘い込むような、 そんな青さだ。 このモミの木の表面を覆う枝葉の青さは、 無数の細かい葉となって、 すべての空間に対して開いている。 だれに対しても開いていて、 そして、みずからもあらわに出ている。 だれに対しても無差別で自由なのだ。 |