index(索引)ルネサンスへ2013-1018-d  グラデーション。


④ シアワセ。


理屈の上だけで、頭の中だけで、
理解できたと思い込んでいるのであって、
中身はカラッポで、結局、
なにもわかっていないのである。
だからまた、そしてだからこそ、
みんなが幸せでありうるし、争いもないし、
世の中がうまく回っているのである。

普通の、大多数の人々にとっては、
何も知らないほうがよいのである。
普通である、みんなと同じであるという、
境界線をこえてはならないのである。
それはだれもが、うすうす気づいていることであるが、
気づいているからこそ、ムキにもなるし、
その境界線をけっしてこえることがないのである。

なんとも、まことにしらじらしく、わざとらしくて、
まったく、ヘキエキ、ウンザリなのであるが、
「自己意識」などという、災いと呪いの種にわずらわされず、
自分自身にめざめなくてよいから、義務も、責任も、権利も、
非常にあいまいで、真実に、自分自身のものとなることがなく、
生きていくには、とっても便利で、ラクなのである。

自分自身と直接、向き合うことがないし、
自分のことを自分で生きて行かなくてすむから。
とってもラクなのである。シアワセなのである。
日本的な情緒でいうシアワセとは、
まさに、こうした状態をいうのである。

 戻る。                     お終い。

index(索引)ルネサンスへ