ルネサンスへ<2014-1227 夢の中。 (  市)



A 乗り移る。


人格が、その実体としての肉体から分離したので、
そうした世界はなんにでもなる。
私とその相手、人間同士、物と物との関係が、
際限なく薄れていく。物としては、
はっきりと見えて区別されたままであるが、
その本質が、あちらこちらへと移動して、
乗り移っていくのである。
まるで、オバケが人間に取りつくように。

肉体から分離した私の魂(タマシイ)は、
どんなものにでも、とりつき、乗り移ることができる。
目の前の壁や空気、犬やネコ、
それに他人にも乗り移って、
まるで、それが自分自身のように思えてくる。
そして、それを見ている私の肉体も、
本当は他人なのかも知れないのである。

そして、さっきから私をじっと見つめている、
目の前の岩が、実は、
本当の自分自身なのかも知れないのである。
そして、この岩に、いつのまにか目が浮かんできて、
はじっこのほうがのびてきて、手が出てきたり、
足になったり、そして、いつのまにか犬になったり、
人間になっていたりもする。
これは、いったい何なのだ?

      戻る。                     続く。

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