ルネサンスへ<2015-0102 正義。(  市)



① 原理。

精神は、
いまだ自分自身を意識してはいない。
それ以前の、無意識の世界を生きている。
もちろん、現実には様々な感情がいきかう。
怒りや悲しみ、楽しみや喜び。
そうした、自然の感情が、
なんら疑われることのない世界である。
それは、いいかえると、
自分自身と、まわりのみんなが、
いまだ分裂していない状態である。
自分自身の自立というのが、
いまだ自覚されずに、まわりのみんなの中に、
溶け込んで消えてなくなっている状態である。

だから、このような世界では、
自分というのが、よく見えずに、
自覚されることもなく、
そしてまた、第三者という立場から、
自分を客観的見ることもできない。そしてまた、
そうした必要のない世界に住んでいるのである。

また、そうした世界にあっては、それが当然の、
むしろ、みんなの中にあっては、
それこそが、当然の正義なのである。
そして、それがまた、みんなにとっても、
また、自分自身にとっても、
原理となっているのである。

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