ルネサンスへ<2015-0102 神々の予感。(  市)



④ カタチ。

このような、実体も現実性もない、
頭の中だけで描きだされた、苦悩と観念の世界。
なにかの印象や象徴、
予感や祈り、おそれ、あこがれといったもの。
これらが、神々とか悪霊の始まりであって、
そしてまた、人間が自分自身というものを、
意識し始めた瞬間ではなかっただろうか。
さらにまた、それが、
宗教の起源となったのではないだろうか。

おどろき、おそれ、おののく。
ただただ、我を忘れて迷い戸惑(とまど)うばかり。
まさしくそれが、自分自身の正体であり、
人間が初めて、神々を発見した瞬間ではないだろうか。
人間の精神が、自らを意識し、それにめざめたとき、
それが何か得体の知れない、神の姿となって、
人間の、心の中で映しだされたのである。
それは、何かのカタチとして映し出される必要があった。
カタチというのが、もっとも記憶に残りやすいからである。

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