ルネサンスへ<2015-0117 衝動。(  市)



② 宿命。


現実が、もはやどうにもならないのならば、
だれだって、欲望に向かうし、それでも、
なにか、見込みとか救いがあるのならば、
美しい方へと向いていく。
つまり、どこかで本質的に迎合していて、
自分の意思というのが、自分とは別のところで、
狭(せば)められ、
その残された道を歩んでいくのである。

それは、本人にとって見れば、
「偶然」の成り行きなのであるが、外から客観的に見ると、
どうにも逆らうことの出来ない、
「必然」としか言いようのない世界なのである。
文明、あるいは社会という、制約され条件づけられた、
システムという、仕組まれた世界を生きているのである。

自分というのが、自分でも知らない、
自分以外のものに支配されていて、
それに従い続けている。そして、
そこから出ていく、ということが、
決してないのである。


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