ルネサンスへ<2015-0117 線、(  市)



① 区別。


色だけでは、わからないのである。
ものとものの、区別や境界がはっきりせず、ケジメがなく、
何かあるのか、ないのか、 わからないのである。
いまだ、自分と他者とが、区別されずにいるのである。
内と外との区別が、無いのである。
いまだ、ぼやけたあままで、おぼろげに見えて、
カタチになっていないのである。

たしかにそれは、何かを暗示し、
予感させるものなのかも知れないが、
ただそれだけなのであって、
何も起こらないかも知れないし、
自分の気まぐれや錯覚、思いすごしとか、
妄想に過ぎないのかも知れないのである。
自己と他者との境界がぼやけて、
あいまいなままなのである。

それは、線となって初めてカタチになる。
自分と他者とが、
線という境界線で区分されるからである。
そして境界線は、内と外を分ける。
境界線とは、自分と区別されるもの、
他者の出現を意味している。と同時に、
それを意識する自己の生成をも意味している。


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