ルネサンスへ<2015-0117 線、(  市)



② 象徴。


自分の中で、
見知らぬ何かが闇のなかから浮かんできて、
それが、闇から分離して、区別され、
境界を持つにいたった輪郭線、シルエットとなって現れてきて、
カタチとなる。それは、闇とは別のものだ。
線と、そのカタチが、それを闇から分離させたのである。
それは、自分にとって、他者であるとともに、自分そのものでもある。

自己の輪郭の、その背景としては、無色の灰色がわかりやすい。
なぜなら、色を含まず目に優しいのである。ということは、
そこに映し出されるカタチというのが、灰色の背景のなかで、
「白」という純粋で、他に何も含まない印象として、映しだされる。

それが気になるのは、それが何かを暗示し、
象徴するもののように思えてくるからであって、
それは、ある意味で、
自分の記憶の世界をみているのである。
現実の世界から色と光の濃淡が消えて、
象徴化された記憶の世界を、
なにかの衝動として映し出そうとしている。

境界とともに輪郭が現れ、面が映し出され、カタチが見える。
神々が地上に降りてきたのである。
現実の、人間の手の届くものとして。
限りある、時間と空間に制約されるものとして。


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