ルネサンスへ<2015-0123 永遠、(  市)



③ 破戒。

普通、人間はだれも、
自分の存在に疑惑など感じることがないのである
アホらしいし、めんどくさいし、それになによりもそれは、
どうにもならないことなのである。しかしこうした、
自己否定と分裂、底なしの猜疑心こそが、
何かあると思えてくる根源なのである。

人間の暮らしや感じ方、行動のパターンといったものは、
本人とはかかわりのない、別の意思で動いている。
世の中のキズナが求めるところに従って生きている。
それが、人の生きる道とされ、
それ以外の生き方というのが、許されないのである。
生きて行けなくできているのである。
それが、世の中のシステムであり、ならわしなのである。

そうした意味で、人間は常に、
なにかしら普遍的で永遠な意思に拘束されていて、
言いかえると、世間のキズナの中で生きている。
そして、そこからの逸脱は、「人間をやめる者」とされ、
底なしの不安の原因となる。
そして、この拘束を破壊するのが、「自由」なのである。
「自由」とは、底なしに不安で孤独な、
そして、危険な考え方なのである。
それは、破戒と創造の現場でもあるし、
まだ見ぬ異界へと続く、見知らぬ道なのである。

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