(  市)ルネサンスへ<2015-0206-a-2 情感のふるさと、



② 生成の場所。

では、それはどこかといえば、
それは、感覚といったものが、
生成されてきた「場所」を意味している。
そのもとで、祖先が生きてきた、
文化の記憶が宿る場所である。

しかし、それがいつどこでなされたかは、
問題にならないし、たしかめようのないことである。
それに、それ自体に大きな意味はないのである。
具体的にどういう場所だったかというよりも、
それが、感覚に変換された場面やキッカケ、
といったものが大事なのである。

とすると、日本列島の場合、
とてもわかりやすいのである。なぜなら、
それは、ほとんど固定しているからである。
日本列島は大陸のはずれの、ふくろ小路の、
離れ島なのである。ということは、
たまに、人が入ってくることがあっても、
出てゆくことが、ほとんどなかったのである。
外(大陸)からの影響が非常に少ない、
孤立した「島」だったからである。
文化的「ガラパゴス」なのである。

これが、日本列島に生きる者にとっての、
現実の世界だったのである。
そしてまた、こうした条件が、
感性や情感の特性を決定し、方向づけた、
地理的・歴史的条件だったのである。


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