(  市)ルネサンスへ<2015-0221 夏、



① 色。


夏の色には、空気と光の色が、
大きく関係しているように思えてならない。
目に見える、夏の世界の情景は、
黄色が非常に薄くではあるが混じっている(色温度)。
それは、光と空気そのものが持つ、夏の景色の色である。

普段は気づくことのないこの色が、何かやるせなく、
いたたまれない、抵抗を断念させるような、
意識せざる不可抗力として作用している。
なにも、考えるなというのではなくて、
なにも考えずに、自然に与えられるままに、
しゃにむに突進するしかないような、そうした情景である。

考えるということ自体が、わずらわしく、うっとうしく、
めんどくさくなってしまうのである。
「動く」こと自体が目的になっていて、
その目的とか理由は、どうでもよくなっている。
つまり、感情的なのである。これが夏の、
対抗的で外面的な情緒の世界、そしてまた、
風景の色となっている。

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