(  市)ルネサンスへ<2015-0221 夏、



② 光。

夏の情景の特徴として、コントラストの強さと、
色の濃さが上げられる。
色が濃く見えるのは、色に黒色が混じっているからで、
なぜ、そうなるのかは分からないが、もしかすると、
夏の光のコントラストの強さが、そのように見せているのかも知れない。
だから景色の輪郭が非常にクッキリと見える。

人間の目にとって夏の光は強烈で、コントラストの上と下、つまり、
白色と黒色がつぶされる。中途半端な白色と黒色が、
真っ白と、真っ黒につぶされる。このつぶされた白と黒が、
風景の輪郭をハッキリと見せるとともに、色そのものを、
あざやかにしているのかも知れない。またこのコントラストをべつにしても、
たしかに夏の世界は生気に満ち満ちていて、空も、山も、野原も、
それぞれが自分の存在の色を、鮮やかに映し出している。

また、もしかすると、夏の空気そのものがもつ湿気(水)が、
夏の世界の情景というのを、鮮やかな色の濃いものに、
しているのかも知れない。あるいはまた、夏の地表面の、
不飽和水蒸気ゼロの状態が、風景と人間との間にある、
カスミを取り払っているのかも知れない。

コントラストとは光の明暗であり、
鮮やかとは色のの鋭さであり、
そして、グラアデーションとは、
陰影の濃淡の移りゆく変化のようすを指している。


     戻る。            続く。


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