(  市)ルネサンスへ<2015-0221 印象の世界、



① 風景。

前回の、夏と冬の風景で見たのは、
風景が象徴する情緒的世界の印象であるが、
それは、意識することなく、その印象の背景となっている、
大気の空気そのものの「色」によっても、
大きく影響されているように、思えてくるのである。

普段、それと気づくことのない、
空気の微妙な色の具合、そしてそのニオイや感触が。
風のささやきや、肌を包み込む空気の柔らかさや、
まぶしさや、陰(カゲ)の濃淡のなだらかに移り行くさまや、
それらすべてが、何かを暗示し、あるいは祈り、求め、
目指し、さ迷い、漂い続けているように感じられてくるのである。

それと気づくことのない風土や四季の、
空気の微妙な違いが、人間の感覚や感受性、
情緒や気質に大きく影響しているように、
思えてくるのである。そこに生きる、
人間精神の背景になっていると、
思えて来るのである。

それは、人間をしばり続け、
無言のうちに人間を規制し続ける、
この世の、現実の地平であるとしか、
言いようがないのである。

人間はそうやって、空気を透して外の世界と接触し、
見もし、聞きもするからである。
もちろん、こうした圧力や強制力は、
空気だけでなく、重力や、
自分自身の肉体構造やカタチについても、
同じように言える事なのであるが・・・。

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