( 市)ルネサンスへ<2015-00403 朝鮮半島、
4:隷属。
だからまた、人間的な強さというものも、 自分の内面から発するものではなく、 自分の外からやってくる、上からの、 無慈悲な強制に基づくものでしかなく、 そして、それはまた同時に、自分の下の者に対する、 情け容赦のない仕打ち、はけぐちとなって維持される。 あるのは上か下かだけで、そうした関係の中でのみ、 自分の居場所というのが見つけられるのである。 目的と理由が見失われている。 あるのは、儒教的な絶対的上下関係だけである。 意味のない、何の目的も理由もない残酷さ、 残酷であること、残酷であればあるほど、 それ自体が意味を持つのである。 意味のない社会にあっては、無意味であること自体が、 もっとも重要で決定的な意味をもつのである。それが、 社会秩序を保存し維持してゆく要(かなめ)となっている。 だから専制と恐怖政治はなくならない。 それは、人民が求めたものだ。 儒教と家父長制の古いシステムに、 しがみ続けた結果なのである。 自己を放棄し、権力という他人に、 自分を隷属させた結果なのである。 人間というのが、 そこから抜け出るということがないのである。 |