( 市)ルネサンスへ<2015-0410 日本列島、
1:思いやり。
日本のどこにいても感じる、思いやりとか気配りといっても、 それは、日本特有のものであって、 ヨーロッパ人からそれを見ると、プライバシーの侵害であり、 同じ東アジアの中国や韓国から見ると、 なんやらわけのわからない、理解不可能な、 わずらわしく、うっとうしいものでしかない。 もともとそういう感覚自体が、心の中にないのである。 それは、日本という歴史的にも地理的にも隔離され、 ガラパゴス化した、均質で固定化した社会にしか、 なりたち得ない特殊な現象、心の持ち様、 心の働きなのである。 このような考え方と行動の型は、日本特有のもので、 日本以外の世界にはないもので、通用することもない。 日本だけがそうなのであって、そうした意味で変わっているのは、 日本の方である。そしてまたそれが、 日本人の自意識とアイデンティティー(自己同一性)、 日本が、自分自身を確かめる示標となっている。 日本からすると、日本以外の国々が外(ソト)の世界であり、 日本とは、この外の世界に対する、内(ウチ)の世界なのである。 つまり、外の世界に対するもの、ほかの言い方をすると、 アメリカとユーラシア大陸に対するものとして、 自分たちを見ているのである。外の世界、それは同時にまた、 大陸に対するものとして、自分を意識し自覚する場面なのである。 |