(  市)ルネサンスへ<2015-0410 日本列島、



2:境界線。


そこには、目に見える明確な境界線がある。海である。そして、
歴史的・空間的・文化的に均質化し固定した日本人と、
流動化し多様性をこととする変化に富む、外の世界が対置される。
そしてこれを、へだてるものとしての海が、日本人をして、
自分たちというのを、意識し区別させる。この区切り線、
このへだてる境界線を対称軸として、自分自身を、そして、
外の世界を見ているのである。

それは、ずっとそうであり続けた。大化の改新がそうだったし、
明治維新がそうだったし、終戦前後がそうだったし、
20世紀末からのグローバル化(無差別国際化)がそうである。
へだてる海を透して自分たちを見ているのである。
自分と他者を区切る境界線。内(ウチ)と外(ソト)、
あちらとこちら、彼らと我々。この自己と他者をへだてる、
境界線を通して外の世界を見ているのである。
それは、目には見えないが、明確に区別され識別される、
自己の精神の領域、越えてはならない境界線なのである。

それは、現実の上でも、日本の特殊で独特な文化や考え方、
自意識となっていて、そしてまた、それはそれで、
外国で通用もせず、理解されることもないのである。
それは同時にまた、精神の、文化的・歴史的区切り線、
境界線となっていて、日本人自身が自分を意識し、
自分自身にめざめ、自覚する場面ともなっている。

 戻る。             続く。


ルネサンスへ