( 市)ルネサンスへ<2015-0417b-1 目を閉じた世界、
1:識別。
目を閉じている時、何を見ているのだろう? 何か見ているのだが、それが何かわからないのである。 何も見ていないというのでもない。 たしかに何かを見ているのだが、 ただそれが何かがわからないのである。識別して、 それを特定できるような手掛かりが見つからない、 ということなのである。 それは、背景と、背景から分離してくる輪郭の、シルエットとして 見える。目を閉じているので、実際に見ているのではなくて、 以前の、何かの記憶を思いだして、それを見ていると、 勘違いしているのである。現実から切り離された、 なにかの記憶の世界である。もしかすると、 無意識の潜在意識の世界なのかも知れない。 だからまず、輪郭線として感じられる。 輪郭線のない、ぼやけたマダラ模様の世界は、 とらえどころがなく、それだけで何かを連想したり、 印象することがなく、記憶に残らないからである。 そこには、記憶に残るものがないのである。 それが、何かを象徴するといったことがないのである。 だからまず、輪郭のシルエットが必要なのである。 |