(  市)ルネサンスへ<2015-0424-b 夢の背景色、



1:カタチ。

夢の中ではそれが何なのかわかった後に、
たいてい、色が見えてくる。色だけでは、
それが何なのかわからず、まず、意味があって、
それにカタチがついてくるのである。
意味とは何かしらのカタチであって、
カタチなき、ぼやけておぼろげな色だけでは、
それが何なのかわからないからである。
まず、それが何なのか確かめられ、ないし、
その手がかりとしてカタチが求められて、
それを表わすものとして、色が加わってくるのである。

通常、夢の中では、何らかの意味なき
色だけの世界というのは、見ることがない。
色(色彩)は、何かの意味、つまり、
理由とか訳があって初めて見えてくる。
理由はまず、カタチの輪郭として見えてくる。
だから、色は後である。もしかすると、夢で色を見るというのは、
人間の目にとっては、とても疲れる作用なのかも知れない。

夢の世界、ないし、無意識の状態とは、
なにかの隠れた意図とか欲求、
衝動みたいなものが心の奥底にあって、
それらが何らかの輪郭として現れたのである。
そして、それがいったい何なのかという、
意味の手がかりがない限り、色は見えてこない。
人間は、自分にとって意味のないことを、
思い出したりしないのである。
理由があって初めて色を見るし、思い出しもする。

それは、自分で自分の中を見ているのである。
正体不明の自意識が、
目に見える世界となって現れている。

 戻る。               続く。


ルネサンスへ