(  市)ルネサンスへ<2015-0424-b 夢の背景色、



2:暗い灰色。

だから、夢の中の背景は、
色なき、明るさだけの明暗として表現される。
明るいだけだと、まぶしくて目を閉じていられない。
意識は、目を開いて現実の世界へ
出てゆくしかないのであって、この時点で夢の世界が終る。
だから、自意識の目に見える背景は白ではない。

しかし、黒でもない。
黒とは、何も見えないことであって、これだと、
見ているのか、見ていないのか、わからない。
そもそも、見ることができるのかという、
視覚器官の存在自体が疑われる。
見ることと、見えないことの区別がなくなる。
だから、黒色ではない。それは、薄暗い灰色である。
目にもっとも優しく、神経が休んでいる状態の色である。
ほとんどなにも見えないが、それでも、
見ることができるのだということが意識できる、
ぎりぎりの明るさ、つまり、薄暗い濃灰色である。

 戻る。               続く。


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