(  市)ルネサンスへ<2015-0424-b 夢の背景色、



3:記憶。

それは必ずしも、見えるものである必要はなく、
音とか、空気のふれる気配でなんでもかまわない。
要は、何かがせまってきたり、あるいはそれに、
吸い込まれるように思えてくる、そのように、
「感じる」ということ自体が大事なのである。

だが、「感じる」というのは、ただそれだけのことであって、
人間は五感で、いつも何かを感じ続けている。
にもかかわらず、それが思いだされないのは、
それがたいてい、どうでもよい、特にかかわる必要がない、
なんの意味もないことが、ほとんどだからである。

感じるというのが、自分にとってなにか意味を持つのは、
それが、カタチとして、記憶の中にある場合だけである。
何かを思い出すのは、カタチを通して思いだすのである。
カタチなき何かを思い出すことは出来ないのである。
だから、意味あることは、カタチとして、
例えば、物語や神話、絵画や像として、
あるいは歌として残るのである。

 戻る。               続く。


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