( 市)ルネサンスへ<2015-0424-b 夢の背景色、
4:カタチの理由。
カタチなき記憶とは、 いまだ、意識にまで達することのない、 感覚の生理作用の段階に過ぎないのである。 カタチとは、何らかの理由、ないし、 連続する論理のつながりであって、そうした、 つながりが、カタチとして記憶に残るのである。 だから、この意味では、 「カタチ」はなにか見えるものに限らない。 音のつらなり(リズム、メロディー)や、その場の、 人の気配や空気として感じることもある。カタチとは、 論理のつながり、様式、輪郭のことであって、それが、 なにかのカタチとして、人間には思いだされるのである。 カタチなきもの、論理のつながりのないものを、 人間は思いだしたり、記憶に残すことはないのである。 残したとしても、何のことなのか自分でもわからない記憶である。 それは、自分が今、生きている理由とか根拠といったもので、 それが、何かしらのカタチとして、それを印象したり、 象徴するものとして、思い出されてくるのである。 そうした、意識のつながりのないところに、 人間の記憶は、残ることが出来ないのである。 |