( 市)ルネサンスへ<2015-0529-宿命、
1:生理作用。
人間の感覚や生理といったものは、 人間が生きている現実の世界で起こっているのであって、 この現実を離れて、人間の生理も感覚もない。 そして、人間が生きている世界とは、 現実の地上で暮らしている世界であり、 そしてそれを、気候という空気が包んでいる。 これを、歴史という考え方から見ると、 一瞬の、瞬間的な歴史の断片、断面に過ぎない。 例えば、気候によって感覚は暑さを感じ、肉体は汗をかき、 精神は、感情となって表出される。 じっと、していられないのである。あるいは、 それが極寒の世界では反対にじっと閉じこもって内向する。 極寒というよりも、冷涼であれば、内向的ではあるが、 意志的で理知的である。 あるいは、かつてのアラビアのように、酷暑の砂漠であれば、 打算的で意志的で行動的である。感情的にならない。 死が待つ砂漠では、人間の感情的な行動は、 災いのタネでしかない。現実的で打算的なのである。 |