( 市)ルネサンスへ<2015-0529-宿命、
3:設定。
話がそれてしまったが、言いたかったのは、 歴史上の様々な文明の根底にあるもの、 その現実の前提をなしているのは、そうした、 地理的・気候的条件だということである。風土といってもよい。 このような、風土的条件が暮らしを成り立たせ、秩序を形成し、 それに合わせて、人間の考え方や、そしてより直接的には、 人間の「感覚」というものを、形作ってきたということである。 また、意識せざる情緒的傾向もそうである。 この感覚というのが、非常に大事なのである。 この感覚というのが、もっとも注目されるのは、それが、 見えにくく、気づきにくいからである。意識もされず、 理屈では説明しにくいものだからである。 人間が何を見、何を聞き、何に触れるかということ自体が、 すでに本人よりも先に決められていて、社会によって規制され、 定められているからである。そしてまた、それ以前に風土によって、 条件付けられ方向づけれているからである。 あらかじめ仕組まれた、必然であるとも言える。 たとえば、何かを見ていて、そこから何を感じるかという、本来、 見る本人の気まぐれな選択に過ぎないように思えることが、 幼児からのシツケや学校の教育によって、 方向づけられているのである。そのための家庭であり、 学校であり、マスコミであり、政府なのである。 しかし、このことについては、もっと深く考えなければならない。 |