(  市)ルネサンスへ<2015-0529b-自己証明、



1:忘れもの。


見えているはずの現実のものが、見えないというのは、
本人がそれを見ようとしないからであり、
本人にとって興味のないもの、または、都合の悪いことは、
たとえ見えていても、見えないのである。見えていてはいけない、
ことなのである。これはタブーなのである。そこのところが、
大いに気にかかるのである。本人の都合、興味のあること、
求めているもの、それ自体が、すでに社会にとっての要請であり、
必然なのである。社会が求めるものに、それと意識することなく、
合わせているのである。

見えないところというのは、本来は、
見えていたところだということである。
それが、自分の都合によって見えなくなっているのである。
だから、見えないところというのは、自分の都合とかかわりの
ないところ、つまり、意識されることのない、無意識の世界だ
ということである。そして、実は、ここにこそ、自分にとって、
もっとも大事な根源みたいなもの、本質的なものを感じて
しまうのである。

 戻る。                  続く。
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