( 市)ルネサンスへ<2015-0529b-自己証明、
2:衝動。
なにもないのに、混とんとしていて、わけもわからず、 入り乱れて、まったく、つかみどころのない世界。 だから、何ら規則性のない、まだら模様である。 しかも、常に変化していて、ただよって移ろいでいる。 そしてそれらが、どこかでつながって、 何かの線が強調されてきて、それが、やがて、模様となり、 輪郭となって、何かのシルエットとか、姿のように見えてくる。 意識の中をさ迷う、何か得体の知れない、本能とか、衝動とか、 感情といったものが、イメージとなり、何かのすがたとなって、 目の中に浮かんでくるのである。 はたして、これはいったい何なのだろう? 自分で、自分がわからなくなってくるのである。 これは、きっと、何かの記憶なのだ。 それは、意識とか頭の中の記憶ではなくて、 肉体の感覚だけに保存されてきた、言葉にならない、 何かの、忘れられた記憶なのである。 だから、それが何なのか自分でもわからないのである。 得体の知れない、それが、本能的な衝動として、激情として、 自分に迫て来て、そして引き裂いてゆくのである。 こうしたことは、まさしく、「肉体の記憶」としか、 言いようがないのである。だから、イメージにも、 言葉にもならない、情緒的な衝動としてしか、 表現のしようがなのである。そして、たしかにそうなのである。 |