(  市)ルネサンスへ<2015-0605-c陽だまり、



2:願い。


冬の陽だまりは、
内に向かって、かたく閉じていた精神というのが、
陽だまりの中で、外に向かって開いてゆくのである。
それが、情緒的なここちよさとして感じられてくるのである。
もちろん、それと意識することなく、気づかないままに、
心が開いていって、外に向かっているのである。

それは、何か内面的で意志的でもある。
何かを指向し求めて、緊張しているような状態である。
求めてもいないのに、何かを求めているように思えてくるのである。
光輝く部分と影をもつのである。だからまた、
光の方向へと向かわざるを得ないのである。

夏の暑さは、冬とは正反対である。
だらけて、ふやけて、緩みっぱなしという感じである。
感覚の暑さの中で、耐えられなくなった情緒が、
ターゲットうぃ求めて、無差別に、だれかれ見境(みさかい)なく、
どこへでも出てゆこうとする。精神はいつも外を向いている。
けっして、内向的ではない。そんな余裕などまったくなくて、
いたたまれなくなって、出てゆくのである。
感情的、情緒的、直接的なのである。

それは、空気の色にも表れていて、夏の空気の色は黄色である。
そして、冬の空気の色は、内向的で沈んでゆくような、
限りない「青」である。冷たく、冷徹で、意志的である。

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