( 市)ルネサンスへ<2015-0612ーa 暗黙の強制力、
1:感覚。
どこそこの、だれそれが、どこで何を見聞きし、 それをどう感じ、なにを考え、どう行動したか、 などといったことは、本来、だれにとっても、 どうでもよいことであって、知る必要もなければ、 知ることもできないし、そうした関心すらも起こらない、 なんら関係のない、他人の出来事である。 だがしかし、そうした感覚、感覚そのもの。 そもそも、感覚とはいったい何なのだろう? 感覚自体が、それのみとして単独で求め、指向するもの。 その機能や仕組みから導き出されてくる、 条件や方向性といったもの。それらすべては、 もともと自分に無かったものである。自分の精神は、 感覚とは別のものなのである。 それは、自分とは別の、 だれか他者によって与えられたものであって、 他者によって、定められ、パターン化したものを、 自分自身の感覚であるかのように、 勘違いしているのではないだろうか。 つまり、実際のところ、自分が持っている、 肉体の感覚というのは、本来、他者のものであって、 それが、自意識との関係の中で、自覚され、 意識され、そして、自分のものとして、 現実化してきたものではないだろうか? ここでいう他者とは、祖先のことであって、 そこから自分というのが意識されて来るのである。 |