( 市)ルネサンスへ<2015-0619 ホロスコープ(万華鏡)、
1:原理の同一性。
ホロスコープ(万華鏡)で見る世界は、 鏡の中で、際限なく繰り広げられる、 その無限の空間的広がりとともに、 中の紙片が組み合わせる、 様々な模様の果てしないパターンの、 豊かさにおどろかされるのである。 しかし、もっとおどろかされ、そして、 真に迫ってくるものがある。 それは、そのような無限の広がりと、 多様な変化のただなかにあっても、 常に、自己同一であり続ける、 その寸分違わない秩序の規則性と、 冷徹なまでの一貫性である。 スコープを少し揺らすだけで、以前とまったく異なる、 新しい別のパターンが生成されるのであるが、 紙片が移動して生成される、その「動き方」、そして、 それが止まって固定してできる、パターンの「構造」そのもの。 そのいずれにおいても、厳密に、左右上下の対称であり続ける とともに、その、最少構成要素たる紙片が、 常に限られた同じ紙片によって、形作られているということである。 にもかかわらず、無限の多様性を示すのである。 形は常に変化し、それが無限の空間的広がりの中で、 はてしない変化を続けるのであるが、その変化の「仕方」、 その仕上がりの「すがた」とといったものが、その原理と、 規則性において、常に自己同一であり続けるのである。 絶え間なき無限の変化を繰り返しながらも、 その内面において、徹底して首尾一貫した共通性、 原理の自己同一性が認められるのである。 |