(  市)ルネサンスへ<2015-0703-b 何を見ている?



1:線。


何を見ている?
それは、カタチと色である。そして、明るさの濃淡である。
カタチとは、ものと、その背景との境界線のことである。
ものと、それ以外の世界との区切り線である。
そして色とは、ものの表面の質であり、個性である。
それは、ものの表面の陰(カゲ)の濃淡と色とが、
無限に絡み合った模様として表現される。

だから、線とは、なにかの輪郭線、または境界線であり、
何か、ものの存在を暗示していて、それはまた、ものと、
その外の世界とが、それぞれ異なる原理と秩序の下に
成り立っていることを示唆している。そしてまた、
それがわかるということは、それを見ている自分自身もまた、
外の世界とは別の存在であり、自分というのが、
現実の外の世界とは区別される、別のものだということが
わかってくるし、確められるし、自覚もされてくるのである。

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