(  市)ルネサンスへ<2015-0911ーb 早春のまぶしさ。 



3、めざめ。


3月の風は、寒いのでも、熱いのでも、涼(スズ)しいのでもなく、また、春のそよ風のような、すなおなここちよい風でもない。いまだ、つめたさの残る、ヒヤリとするような風なのである。

冬の凍(コゴ)えるような風でもなく、晩夏のふやけてだらけるような風でもなく、そしてまた春の優しげなそよ風でもない。まだ冷たさの残る、冷静なヒヤリとする、張りつめた風なのである。自分が何か目標を感じて、それに向かって身を引き締めている、そんな感じがしてくる風なのである。

だから、少し冷たくても気にならず、むしろ、それが気持ちよく、爽快で、覚めていて、冷徹で、クールで、新鮮な感じがしてくるのである。それは、自分が何かにめざめて、主体的に生きようとしている、そうした情景である。

それは、外から与えられたものではなくて、たしかにキッカケはそうかも知れないが、それは、自分から進んでのぞみ、求めようとしたものなのである。内的で精神的なものなのである。自分で自分というのを、しっかりと抱きしめているのである。だから、とっても気持ちが良いし、すがすがしいのである。

 戻る。             お終い。

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