(  市)ルネサンスへ<2015-0925-b 3月の風、



2 挑戦者。



それは3月の太陽、そして湿度や気温とも密接に関係している。いまだ肌ざむいというのは、空気のことであって、陽の当たる日向(ヒナタ)はむしろ暖かく、陽気がただよっている。暑いくらいである。

そして反対側、日蔭は肌ざむく陰にこもったような状態となる。さむくて、いまだ真冬のような、内向的で、なにもかもが止まったような、閉じた世界である。つまり、陽気と陰気、暖かさと冷たさ、優しさと険しさ、夏と冬、光と陰がいまだ共存している世界である。

しかし、そこには、まだ全体として寒いのに、にもかかわらず、光に向かって、暖かさと優しさに向かって突き進むという、そうした指向性がある。いわば、先駆者であり挑戦者なのである。

暖かくなったといっても、まだ全体としては寒く、生命はまだようすをうかがって閉じている状態なのである。その中で一部の生命、先端に位置する者だけが、むさぼるように日に向かって、つき進もうとしているのである。

 戻る。              お終い。

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