(  市)ルネサンスへ<2015-1030



肉体の制約、~その4。


しかしまた、「生理的制約」といったものもある。
ちょうど、肉体と意識のあいだにあるものである。
例えば、体操や水泳、簡単なスポーツなどがそうである。
たしかにそうやって身体を動かすと気持ちが良いのである。
人間の身体というのは、そのように出来ているのである。
身体の動く速度、方向、リズムといったものが、
何らかの規則や必然性の上に成り立っているのである。
それが、人間という肉体の原理にかなっている、ということである。

身体の生理的影響下にある感覚、という見かたからすると、
視覚は少し複雑で、視覚の生理には、無意識の、
いまだ自覚されることのない、
潜在的な観念の堆積が混じり込んでいる。
それは、潜在的(ネガティブ)な、反転されて沈んだままの、
直接表面にすがたを現すことのないものであるが、しかし、
たしかにそうしたものが、精神の水面下の奥底にひそんでいて、
気持ちのあり方とか、情緒といったものに影響し、制約し、
方向づけている。しかしまたそうしたことは、
自分自身の肉体の五感すべてにいえることなのである。

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