(  市)ルネサンスへ<2015-1030



肉体の制約、~その3.


こうやって、人間の感覚のおおよその範囲、
その限界、そしてまた人間が感じ、生き、
行動する輪郭(リンカク)といったものが把握される。
輪郭とは、人間と、その外の世界との区別であり、境界であり、
それぞれにとっての固有の原理や秩序の及ぶ範囲を示している。
それらは、人間がこの世に生まれた途端に、
すでに与えれているものであり、そしてそれがまた、
人間と他の生物を識別する特徴でり前提なのである。

この時点で、つまり、人間がこの世に生まれたこの時点で、すでに、
何を見ることがで出来るか(または、出来ないか)、
聞くことが出来るか(または、出来ないか)、
あるいは、何をどこまで感じることが出来るか(または、出来ないか)、
そしてまた、何ができるか(または、出来ないか)というのが、
それらすべてが、すでに定められているのであって、
そうした発展の指向する方向性といったものが、すでに示されている。
そして、その限界もまたそうである。

それらは、いわば人間の避けることのできない、
肉体的・現実的前提といったものである。
それなしには何も成し得ず、そしてまた、
その範囲でしか何もできないのである。
それが人間の物理的条件であり、制約といったものである。
方向性や指向するところと言ってもよい。

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