( 市)ルネサンスへ<2015-1120 「赤と白」
15:個性。
それは無意識の底にあって、人々を左右し支配し続ける情緒と いったもので、それを規制し秩序付ける警告信号、 越えてはならない境界線、目に見えない仕切り壁を意味している。 それは、集団としての共同体のケジメとかオキテ、戒律といったもの なのであって、それが、目に見えるものとして表現されたのが、 赤と白の、色の組み合わせなのである。 それは「赤」の、残酷なまでに徹底した、意志の硬直性であり、 いさぎよさであり、有無を言わせぬ絶対的なオキテである。 そしてまた「白」の、あまねく精神の普遍性、協調性、親和性を 表現している。 「白色」は、いつでも、どこでも、どんな色にも溶け込む。 同化してゆく、そんな個性のない色である。だれに対しても わけへだてなく、すべてを照らしつつみ込む。そこでは、 他のすべての色が、もっと鮮やかに自らの個性を映し出しながら、 白い背景の中に溶けて一体化してゆく。 |