(  市)ルネサンスへ<2015-1120 「赤と白」



14:島国。


見た感じからは、赤白がもっとも目立つように思えるが、
その意味するところは、やはり、ケジメであるように思える
行動や意識の中に、何かはっきりした強力な境界線、
立入禁止の世界があって、その警告標示のように思えてくるのである。
ことばにならない、なにかのオキテを表している。

日常の日々繰り返される、暮らしの中に見る、
紅白(=赤白)で表現される、なにかの印(シルシ)、象徴といったもの。
それは、自由で、気ままな気配りと、協調性で成り立つ、
この温和で、おだやかな日本社会の、ただなかにあって、
それを維持し保存し続けるという、
もの言わぬ固い決意と信条の現れであり、
そうした絶対的な意志、強力な有無を言わせぬ強制力の存在を、
暗にほのめかし、宣言し、表明したものなのである。

そして、そうしたオキテ、決意や信念といったものを色でもって表現すると、
やはり、紅白(=赤白)しかないように思えるのである。
白のシンプルで普遍的な色、どこでも、だれにも、
あまねく世界全体を照らす普遍性。これが、背景の色になっている。
そしてその中で、飽(ア)くなき絶対的な意志と、
強制力を象徴するのが、この丸い赤(日の丸)である。
それは、残酷なまでの強力な意志と、感情の高揚、
そして退くことのない固い決意を表明している。

しかし、それにしても、それではいったい、
この決意とか感情は、いったい何に対していだく感情なのだろうか?
ひとことでいってそれは、外の世界(ユーラシア大陸とアメリカ)に対する意識である。
ということは、この決意とか感情といったものの正体は、結局のところ、
閉鎖的で内向的な、閉じた島国、鎖国としてのそれである。
そしてまさにここにこそ、自らの存在理由と、自己認識(アイデンティティー)が
見いだされる。数百数千年にわたって堆積してきた、民族の、
無意識の精神世界がある。

 戻る。                 続く。

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