(  市)ルネサンスへ<2015-1127 新、アイドルの女子。



4:フツー。


彼女の心の中といったものが、いつも開けっぴろげで、
だれでもが出入自由なのである。トビラもカベもなく、鍵もなく、
いつでもだでもどこからでも出入自由なのである。それがフツーだし、
当り前だし、だれもがそうだし、少しも不思議に思わないし、
いままでも、これからも、ずっとそうであり続けると思い込んでいる。
というよりも、それがあまりに当り前すぎて、そんなことすらも、
ちっとも気にならないでいるのである。

しかし、しかし、これではやはり、オカシイし、どこか狂っている。
人間の本性に反する。まるでペットか家畜、奴隷の世界だ。
このような世界では自分というのが確かめられず、見失ってしまう。
自己喪失というのが純粋な形で現れてくる。現実のものの豊かさが、
精神の内面を見えにくくしている。それが、自分のなかでカタチとして
見えてこない。自己の魂といったもの、祖先の精神を見失なっている。
自分の心が、どこかで切断されて忘れられている。
自分が確かめられず、自分が自分でなくなっている。

 戻る。                 お終い。

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