(  市)ルネサンスへ<2015-1204 見えるもの。



1:白黒。


ものの姿は、面とその陰影で表現することが出来る。
そして、その輪郭とカタチは、面の外周にあるものとして、
光と影の境界線で表現される。
いわば、白黒の線画の世界である。

表面の白黒の輪郭線は、外の光によって照らされたものだ。
もの自体の内部が映し出されたものではない。
もの自体の内部は色で表現される。色は中から出てきたものだ。
それは「色」として、映し出されてくる。色はものの個性なのである。

色は、そのもの固有の性質、個性を表しているが、
明暗、陰影、光と影といったものは、すべての物体に共通のもので、
もののカタチを光の強弱、明るさ暗さで表現している。
でも、それはやはり、カタチの延長に過ぎないのであって、
同じ基準でもって、異なるカタチを表現しているにすぎない。

だから、中身が見えてくることがないのである。
従って、それぞれの異なるカタチの中身は無視される。
中身を無視することによってのみ、カタチとして表現できるのである。
中身とは、個性であり、内容である。

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