(  市)ルネサンスへ< 2016-0108 感覚。



1 バランス(調和)。


人間の感覚といったもの。
感覚が、感覚自体に対していだく感じといったもの。
たとえば、わけもなく心地よい感じ、気持ちがよい感じ。
それは何か相手がいるとか、なにかの理由があって、
そうなのではなくて、理由もわけもないのに、そういう、
おだやかで優しげな感じをいだくことがある。
自分でも、なぜそうなるのかわからないのである。
つまり、自分の意識とは係わりのないところで、
感覚が感覚に対して、何かそうした、
心地よい感じをいだいているのである。

それは、その場の空気とか雰囲気といったものかも知れないし、
あるいは純粋に、自分の肉体の生理的な落ち着きとか、
安定ないしバランスから、そう感じているのかも知れない。
いずれにしても、はっきりした理由のない心の落ち着き、
漠然とした言い知れぬ、なにかぼんやりした安定感
といったものである。しかし、はたしてこうした、
理由のない安定感といったものは、
いったいどこから来るのだろうか。

それは、肉体そのもの。肉体の感覚だけが、それと記憶している、
祖先の記憶ではないだろうか。それは無意識の世界のマニュアルで
あって、規範であって、バランス(調和)であって、
祖先の記憶が私たちの肉体の中に残していったものである。
その感じ方や指向性、あるいは衝動として僕たちの
無意識の記憶の中に残していったものである。

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