(  市)ルネサンスへ< 2016-0108 感覚。



7:前提。


すべては、この外的自然と内的精神の接点のところで始まり、
そこを源(ミナモト)としているように思えてくる。それでは、
感覚そのもの、感覚それ自体は、自分のことをいったいどのように
感じているのだろうか?感覚の正体、その実体とはいったい何なの
だろうか。そして、それこそが情緒とか情感の生まれる場所であり、
その民族の特性を決定づけている、意識されざる指向性といった
ものなのである。

あるいは、民族のシステムや歴史の中にあって、
それらを規制し方向づけている原理といったものなのである
民族の輪郭を形づくり、他の民族と区別されるその民族特有の
特徴といったものを形づくるのである。そしてそれを、自(ミズカラ)らの
内的原理として、自己同一であり続ける、そうした主体なのである。
自分が、自分のもとにあって、自分を律して行く、
そうした存在なのである。

そして、そうしたことのすべての、現実の前提を成(ナ)しているのが、
その民族に取り巻いて、その民族を成り立たせている、自然的・
歴史的条件なのである。他の言い方をすると、その民族が依存する、
外的自然環境であり、内的精神文化の歴史的特徴なのである。
この存立の基盤を離れて民族は存在しないし、また、この現実の
地平の中にのみ民族は存在し続けることができるのである。

この地平を離れて、民族という概念は成り立たない。
それは、環境としての自然と、歴史の産物であり、存在なのである。
民族の生き方やシステム、その成り立ちも、こうした風土的(自然的
・歴史的)特性を条件として、初めて成り立つものなのである。

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