(  市)ルネサンスへ< 2016-0108 感覚。



6:一体のもの。


このような、情緒的傾向の特質といったもの、
こうした、情緒のバランスのされ方といったもの、
情緒自身の、調和のカタチといったものが、
すべての、ものごとの判断基準となっている。

そしてそれは、感覚的で生理的なものである。
自分を支配し方向づけている、無意識の世界である。
自分自身の内部にあって、それが導き指向する必然性と
なっているものである。自分のことなのに、
自分ではどうにもならない世界なのである。

感覚も生理も、本来は同一のものであって、一体のものである。
それは、外の世界に対していえば感覚なのであって、
肉体の内部の世界に対していえば、生理ということなのである。

いづれにしても、意識とか思考とは別のものであって、
それでいてなおかつ、木や石や空気のような自然のものでもなく、
そしてまた、意識というのが全く届かない世界でもない。
そうした外的自然と内的精神のちょうど中間に、
独立して存在する「領域」なのである。
これが、感覚の、感覚に対する感覚のことなのである。

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