(  市)ルネサンスへ< 2016-0122-1 衝動。



2:同一性。


しかしまた、わけがわからないといっても、なんらかの理由づけが
必要なのである。わけがわからないままで無視し続けることは
出来ないのである。

それを、自分自身の観念の世界の中で、記憶に残る何らかの
カタチとして、残しておかなければならないのである。
わけがわからないといっても、それは何か自分にとって非常に
大事なことなのであって、それは、どうしても自分の中で記録し
ておかなければならないことなのである。

だからこそ、それをなんらかの、イメージで象徴した絵画や
彫像として、あるいは何かの儀式やシキタリとして、
記憶の中で残る何らかのカタチとして保存してゆくのである。
そうするしかないのである。それは人間が求める方向性であり、
あるいはまた、人間自身の中にある必然的な指向性なのである。

そうしてのみ、自らを保存し、伝え、そして世代を越えて生き
続けることが出来るのである。それは放棄することのできない
自己の同一性なのである。それは、自分が自分であることの
証明なのであって、それの放棄は、自分が自分で無くなることを
意味するからである。

 戻る。               お終い。
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