(  市)ルネサンスへ< 2016-0129-a 四季、 



春の色。


カスミの中に浮かぶ白い背景のなかで、遠くの景色がおぼろげに
かすんで見える。これは、春の風景だ。春の景色は、遠くの山なみ
に白色が混じる。

それは春の空が弱い水蒸気を含んでいて、それで空気の色が
白いのである。それが弱い霧(キリ)となって、かすんで見えるのである。
そしてこの白さ、カスミとなった水蒸気を押しのけるほどまでに、
大気の温度は高くないのである。。空は晴れていても、どこか白い
カスミが世界を包んでいるのである。

また、春の大気は、コントラスト(明るさの濃淡)というのが、とても弱く、
コントラストといううよりも、色の鮮やかさが際立っている。風景全体が
白色でかすんでいて、その中から色の鮮やかさだけが浮かび上がって
くるのである。だから夏ではない。

春の山々の景色は鮮(アザヤカ)やかで、空気にもしっとりした
潤(ウルオ)いがあって、優しくおだやかな感じである。それは日本では、
春を意味している。たとえば、風景の色自体が生まれたての色なので
ある。というのは、色というのは生命の証であって、それは水の中から
出てくる。だから、白っぽい半透明のカスミの中から、色というのが、
明るい澄んだ色となって出てくるのである。

カタチはふっくらしている。ふっくらというのは、枝葉とか草花というのが、
生まれたてだからだ。誰もが、まだ、同じスタートラインにいるのだ。
太陽の光やそして水も、誰に対しても公平で等しく優しいのである。

 戻る。             続く。
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