(  市)ルネサンスへ< 2016-0205 陰、~間接光の世界。



3:観念的。


物体が、他の物体に落とす「影」と違って、落とす前の、
物体そのものの表面に映し出される「陰」といったものが、
間接(環境)光だけだと、非常にぼんやりしているのである。
模様や、明るさや、色の濃淡といったものが、どこかとらえどころがなく、
何か非現実的で、なぜかぼんやりしていて、まるで何もかもが
眠っているように見えるのである。そうです。まるで、夢の中の世界を
見ているように思えてくるのである。

たしかにその通りで、間接光だけだと物体に「影」がなく、
物体とその周りの境界線が、おしなべて同じ線に見えてきて、
あるいは「線」そのものがなく、まるで、生きている現実のようには、
見えて来ないのである。やはり眠っている。なにか閉じた空間、
自分だけの世界を見ている。潜在的で、観念的な、無意識の
世界を見ている、そのように思えてくるのである。

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