( 市)ルネサンスへ<2016-0205b 夏のふてぶてしさ。
1:外向的。
春と同じく、夏の色も鮮(アザ)やかなのではあるが、 春のそれとは著しく異なる。同じ鮮やかさであっても、 その鮮やかさが全く違うのであある。 明暗(コントラスト)の差が極端なのである。 それは、地表に降り注ぐ太陽の光の強さと関係がある。 強い光のなかで、外の風景は、ずうずうしいくらいに厚かましく、 ふてぶてしく、そして力強いのである。春のような可愛(カワイ)さと いったものは、まったくない。 景色の輪郭、ないし、模様とか境界線といったものが、 黒っぽいカゲの線の輪郭となって、カタチや模様を映し出している のである。カタチの色というのが、その境界部分で、暗い灰色となって、 にじんでいる。線といううよりも、その境界部分が暗くにじんでいて、 そしてつながっていって、輪郭やカタチの線として見えてくるのである。 カタチやその表面の模様、色の鮮やかさ、コントラストの濃淡といった ものが、力強く、ダイナミックに、そして生きいきと現れているのである。 生きている。なにが何でもムリヤリに。そうした力強さが強く感じられる。 潜在(ネガ)ではなくて、顕在(ポジ)。 無意識ではなくて、意図的で意識的。夢ではなくて、現実。 心の世界から、現実の生きた世界へ。 精神は、自分自身の内面へと向かうのではなく、外へ、 現実の世界へと向いている。 戻る。 続く。 |