(  市)ルネサンスへ<2016-0212ーc3-1 感覚の記憶、



1:しあわせ。


感覚が何かを感じている。見るもの聞くもの触れるもの。
それら感じているものがいったい何であるか、などといったことは、
感覚にとってみればどうでもよいことであって、ただ何かを感じている、
感じているということ自体が大事なのである。それが感覚にとっての、
唯一の関心事なのである。ただそれだけで十分で、ただそれだけが
たのしく、そしてシアワセなのだ。

それがいったい何で、どこからやって来て、どういうわけで、
などといったことは、感覚にとってはどうでもよいことであって、
関係のないことなのだ。ただ「感じている」ということ自体が、
感覚にとっての唯一のシアワセなのである。
このような、肉体の感覚自体が持つ衝動、あるいは本能、
指向するところ、といったものが「情緒」といったものの、
実体ではないだろうか。

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