(  市)ルネサンスへ<2016-0304 風景の記憶



4:必然性。


では、いったいどのような組み合わせ、あるいは様式といったものが
美しく感じられるのだろうか。しかしまさに、そうしたところが、民族の
情緒的特性といったものではないだろうか。

それは、民族が生きてきた自然条件や記憶と一体となったもので、
その下で、数百数千年にわたってカタチづくられて来た、情緒や
感じ方の特性といったもの、その方向性や、無意識の必然的な
指向性といったものではないだろうか。

そして、それは同時にまた、人間の感覚器官のすべて、のみならず、
その感じ方や、意識の様式、そして行為の仕方や仕草(シグサ)、
ものの考え方にいたるまで、それらすべてを規制し方向づけているように
思えるのである。

それは、意識されることのない、情緒や情感といったものである。
そしてまた、民族の必然性、原理とでもいったものなのである。
民族がその下で生き、形成され、生まれてきた自然環境や感覚の
感じ方、情緒といったものものなのである。無意識の本人にとって
気づくことのない気質や気性といったものなのである。

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